把瑠都が引退しました。
大相撲は2ヶ月に1回、必ず開催されます。休場したら番付が下がるのです。当たり前と思っていたことですが、やはり厳しいものです。

他の格闘技ならば、ケガを理由にタイトルマッチは延期されるでしょう。プロ野球でも、一流選手ならば1年間ぐらいなら、多少給料は下がってもケガの治療に専念できるでしょう。

大相撲は、そうはいきません。幕下に落ちれば無給。2ヶ月に1回、必ず番付が下がるわけです。相撲甚句の侘しさは、そんな大相撲の厳しさと背中合わせのような気がします。

豪快無比、このブログでは吊り出しが見られなくなった昨今の土俵を嘆いていましたが、最大の使い手が消えました。その寂しさは、言葉に出来ません。

しかし、これが大相撲です。ボクシングはグローブが大きくなりました。プロレスはマットが柔らかくなりました。大相撲は、何も変わっていません。だからこその、大相撲だと思います。誇りにして良いと思います。

今は、あの相手にとっては絶望的な吊り出しを見せた、把瑠都の雄姿を、瞼に焼き付けていたいと・・・。お疲れ様でした。そして、ありがとう。

 

魁傑の放駒親方も定年です。「私は、チョンマゲをつけているから魁傑ということで、皆から立てられています。しかし私は土俵の外では30歳の、西森というただの青二才です。それを忘れてはならないと思います」という現役引退時の言葉で分かるように、誠実な土俵態度と真っ向勝負の相撲で、貴ノ花と人気を二分した力士でした。

大関陥落場所で10勝を上げられないながら、その後大関に復活した力士としても有名です。

戦後の大相撲で、10勝の特例ではなく(当時は、そういう制度はありませんでしたが)大関に返り咲いた、もう一人の力士が名寄岩です。戦後、大相撲の復興にもっとも貢献した、まさに大スター力士で、映画化もされました。

二人の名力士は、大関に返り咲いた後、大相撲ファンの深い思い入れの中、「超」のつく人気力士となりました。

さて把瑠都、時間が多少掛かっても、必ず大関に返り咲いて欲しい、「欲しい」というより返り咲くべき力士です。

それにしても、敗戦の後に微かに笑みを浮かべるようにして引き揚げる把瑠都に「闘志不足」などと記事を書くプロの記者の感性とは、どんなものなのでしょうか。某一般紙、そんな新聞を何十年も取っているのは、私ですが・・・。

ひと昔、ふた昔前とは外科技術のレベルも違うでしょう。豪快な吊り出しを、もっと見たいですね。初場所に大関復帰を逃したからこそ、思い入れの強い人気力士へ、大相撲の歴史はその可能性を示唆しています。


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大相撲 春場所、注目はやっぱり把瑠都です。
二日目は、豪快な吊り出しを決めました。吊り出しを見ると、昭和の大相撲ファンにとっては嬉しいし、若いファンにとっては見られる機会が少ない決まり手で、どちらにしろ見応えがありました。

残念なのは吊られた嘉風。荷物じゃないんだから・・・。あそこは足をバタつかせて、最後まで抵抗するのが大相撲の力士のはずです。土俵を割るまでは、勝負を捨てないでほしい。

あの場面、テレビの解説者・アナウンサーも指摘しないといけないと思いますよ。そして足を激しくバタつかせることで、あの吊り出しは決まり手として、もっと美しく映ったでしょう。

何度も書いて食傷気味かもしれませんが、立合いの変化うんぬんの前に、プロとして大相撲ファンを喜ばせる部分でもあります。

さて立合いの変化と言えば、初日の豪風。先場所の把瑠都の変化が、綱獲りと絡んで目立ったためか、過度に注目された感じです。変な雰囲気になりましたね。

しかし、あの変化が悪いなんてことになると、千代の国にとっても、良くないですよ。本当に立合いの変化を責めると、重量級力士が、それこそ前に落ちるのも構わず、突っ込むだけの相撲になります。

結局、攻防のある、いわゆる「大相撲」が減るだけです。今のNHKのアナウンサーも「大相撲になりました」と、興奮気味に語った経験は無いかもしれませんね。冷静な口調で「今の相撲は攻防がありました」ってのとは違いますから。

今の立合いの変化に対する批判は、勘違いが生んだ大相撲への“共同幻想”に対する「迎合」を感じます。正々堂々の履き違えと言ってもいいでしょう。

先日「天下泰平記」でプロレスと紅白歌合戦に触れましたが、両者が勢いを失った大きな原因は、ファンへの“迎合”です。

良い傾向では無いですね。


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大相撲初場所は把瑠都が初優勝、春場所に綱獲りが掛かります。

把瑠都の、体格に頼りすぎた粗い相撲という言説に対して、今一度言いたいのですが、そう見えるのは把瑠都が、体格を生かした相撲を取れているからです。

逆に、把瑠都の巨体が小さく見えるような相撲なら、むしろ危険信号でしょう。

琴奨菊戦を見ても、分かると思います。琴奨菊に良い形になられても、下手を引くまで我慢し、下手を引いてからも、琴奨菊の寄り身に合わせた絶妙のタイミングの吊りで勝機を掴みました。

体格を生かした相撲も、そんな簡単なものじゃないわけで、技術です。

突っ張りに進境著しいと言われていますが、以前に琴欧洲が「本当に、突っ張りは難しい」と語っていて、突っ張りも、そう簡単に覚えられるものじゃありません。

さて把瑠都の綱獲りに関して、横綱審議委員会が例の立合いの変化も含めて、まだ品格が足りないと発言しているとのこと。

把瑠都の持っている “明るさ” “軽さ” に対して横綱の品格のイメージではない、ということでしたら、それは見当違いです。

かつての、朝潮・柏戸ですよ。
強い朝潮と弱い朝潮が同居してると言われた、筋骨隆々で胸毛ぼうぼう、眉毛ゲジゲジだった朝潮。

序盤で取りこぼすのに、大横綱大鵬には互角の戦いを演じた柏戸。朝潮と柏戸にあった豪快さと開放感。それもまた、一つの横綱のイメージです。

気は優しくて力持ち。ファンの女学生と話す姿から“朝潮童貞説”などというのが、天下の横綱相手に流れていたんですから・・・。

色んな意味で、把瑠都への期待は大きいです。

品格という言葉のイメージに、引きずられてしまわないように、横審も気をつけてほしいと思う、今日この頃でございます。


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把瑠都が優勝争いのトップに立ちました。

大晦日に配信した天下泰平記で、把瑠都の進境著しいことと、綱獲りの可能性について言及しました。いよいよという感じです。

新聞を読んでいると、(スポーツ紙は読みませんので、一般紙のスポーツ欄ですが) 「体格任せの粗い相撲」「課題だらけ」などと、アホな論評が並んでおります。

体格の良い力士が、体格を生かした相撲を取るのは理に適っています。白鵬のようなキレイな四つ身だけが相撲じゃありません。体に合わない無理な相撲は、必ず無理が来ます。琴欧洲が遠回りしてるのが良い例です。

このブログでも、琴奨菊に廻しを切られてから引きなおす動きや、稀勢の里に上手の良い位置を引かれたときに素早く左からすくった動き、ともに体格を生かし、それを出来る反応の良さ。見事でした。

天下泰平〜で書いたように、大関陣では頭一つ抜けたと思います。優勝争いが楽しみです。

さて、もう一人の綱獲り候補の稀勢の里。重心が低く、左の相四つの琴奨菊戦が課題と、随分以前から書いておりますが・・・。

強い左で琴奨菊を起こせるかと、繰り返してきまして、理想はモチロン、それですが。そりゃ、あれだけ低く来られたら、突き落としもアリでしょう。

琴奨菊のためにも、あれで良かったと思いますよ。落ちる角度で来たら、こうなると。それが真っ当な相撲です。稀勢の里が、低い琴奨菊を起こすところに興味があっても、今日のはOKです。

変化も考えたうえでの琴奨菊に対して、その低さに対処する稀勢の里、その相撲にこそ注目したいのです。

それをまた 「熱戦を期待したのに、残念でした」みたいなことを言うのは、止めなさいと・・・。相撲のレベルを下げるような話になってしまいますよ。アナウンサーや解説者・新聞記者は、もっと本質を突いてください。


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